Alter Linux

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Alter Linuxから転送)

Alter Linuxは、Arch Linuxをベースに日本の学生デベロッパー数十人で開発されているLinuxディストリビューション。

Arch LinuxベースのLinuxディストリビューションでは日本初の、完全な日本語化が行われている。

Alter Linux
Screenshot of Alter Linux 20210715 with the Xfce desktop environment
デスクトップ画面(20210715 Xfce x86_64)
開発者 FascodeNetwork
系統 Arch Linux
開発状況 開発中
初版 2020年4月2日
最新安定版 20220722 - 2022年7月22日 [±]
アップデート方式 pacman
パッケージ管理 pacman
カーネル種別 Zen Kernelが標準(後述)
デスクトップ環境 Xfce, KDE Plasma, LXDE, i3(ウィンドウマネージャー), Cinnamon, GNOME
ライセンス GPLv3
ウェブサイト https://alter.fascode.net/
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概要[編集 | ソースを編集]

日本初のArch Linuxベースのディストリビューションとして開発が始められた。

2021年9月現在、Xfce版 [1]KDE Plasma[2]、LXDE版 [3]、i3版 [4]、Cinnamon版 [5]、GNOME版 [6] がリリースされている[注釈 1]
その内、Xfce、KDE Plasma、i3wm、Cinnamon、GNOMEでx86_64版(64bit) の、Xfce、LXDEでi686版(32bit)の公式ビルドが提供されている[注釈 2][注釈 3]

Alter Linuxでは、EndeavorOS同様Arch Linuxとリポジトリを共有する形でのローリングリリースが採用されている。

これは同じくArch Linux派生のLinuxディストリビューション、Manjaroが独自のリポジトリを用意しているのとは対照的で、Manjaroの様にしっかりと安定性が確かめられたパッケージばかりでは無いものの、Manjaroよりも新しいパッケージが利用出来ることになる。

Live起動から日本語入力に対応しているなど、Arch Linuxベースでは弱いとされる日本語環境が整っている。
また、後述するaptpacによって、aptコマンドが擬似的に使用出来る様になっている。

Xfce版ではmacOS風、KDE Plasma版やLXDE版、Cinnamon版ではWindows風のユーザーインターフェースが採用されており、Xfce版ではデスクトップ下側にドック風ランチャーを模したパネルが配置されている。

Yayが標準で含まれている為、Arch Linuxの利点であるAURの豊富なパッケージが簡単に利用できる。
Pamacがプリインストールされているので、パッケージをGUIで管理することも出来る。

ターミナルにてneofetchを実行(RC1 i3wm x86_64)


2020年4月19日にneofetchにロゴが追加され、日本で初めてneofetchにロゴが追加されたLinuxディストリビューションの1つとなった[注釈 4]

リリース[編集 | ソースを編集]

ローリングリリースを採用しているため、大規模な一斉更新はなく、少しずつ断続的に更新される。
20210715以降はその思想を反映し、ISOファイルにはビルドした日付を記載する方式となっている。

主なビルドを以下に列挙する[7]

主なバージョン リリース日 主な変更点
Beta 1 2020年4月2日 Arch Linuxをベースにした初回リリース版

DE(デスクトップ環境)はXfce、x86_64(64bit)対応

Beta 2 2020年4月26日 一部ソフトウェアで日本語入力できない問題を修正、GRUBテーマを追加、aptXのサポートを追加

DEはXfce、LXDE

Beta 3 2020年5月25日 i686版(32bit)を追加、ビルドスクリプトが複数のアーキテクチャに対応、ドロップダウン型のターミナルを追加

i686版はPAE非対応パソコンにも対応している i686版ではインターネットブラウザがFirefoxに変わっている。

Beta 3.1 2020年5月26日 一部の環境で正常に起動できない問題を修正、機能的にはBeta 3と同じ
RC1 2020年8月10日 初のリリース候補版 i3wm版、Cinnamon版のリリース

グラフィックやターミナルの様々な問題の修正、PowerlineをPowerline-Goへ置き換え、Firefoxを日本語化、 インストールCDへの「Safe graphics」の追加、pamac-gtkをpamac-aurに変更 など [5]

RC2 2020年10月2日 QtソフトウェアでGTKテーマを使用し見た目を統一、zshの履歴表示を強化、Archiso v45とv46の変更をマージ、

zsh-history-substring-searchを追加、i3-wm版で背景を設定するソフトウェアをfehからnitrogenに変更 [8]

RC3 2020年12月31日 Alteriso3を使用、新たなチャンネル(basic gnome gnome-mac lxde-m serene xfce-pro)の追加、

EFI(UEFI)で起動できない問題の修正、細かなバグ修正 [9]

20210715 2021年7月16日 初の正式版 KDE Plasma版リリース LXDEの64bit版、i3wmとCinnamonの32bit版の公式ビルドを廃止 [2]

ローリングリリースの思想を反映しビルドした日付をバージョン名に AlterISOが3.1になり、より効率化された Alter Linuxを構成するシェルスクリプトの大幅な修正 UEFI環境でLive環境の起動オプションが足りない問題があったが、20210718で解消している。

20210819 2021年8月19日 AlterISO 3.1への機能追加、改善。

systemctl enableが実行されないバグがあり、20210920で修正された。

20210920 2021年9月20日 GNOME版の追加、プロプライエタリなNVIDIAドライバへの対応 [注釈 5] 、ライブ環境でのディスクスペースを256MBから1GBに拡張、いくつかのテーマ、ソフトウェア、配置などの見直し。

systemctl enableが実行されないバグなどの修正[6][10]

20211201 2021年12月3日


プリインストールソフトウェア[編集 | ソースを編集]

以下のようなソフトウェアがプリインストールされている。

  • Chromium(x86_64)/ Firefox(i686)(ウェブブラウザ)[11]
  • LibreOffice(オフィスソフト)
  • Mozilla Thunderbird(メールクライアント)
  • VLC Media Player(動画・DVD再生ソフト)
  • medit (テキストエディタ)


Alter Linuxのターミナルはかなりカスタマイズされており、Powerline-GoやLSD(LSDeluxe)をデフォルトで採用している。

Beta3.1以前はPowerline-GoではなくPowerlineを採用していたが、2020年5月29日に次のリリースからPowerline-Goに置き換えることが発表され [12]、8月10日のRC1より置き換えられた[5]

AlterISO[編集 | ソースを編集]

AlterISOは、FascodeNetworkが独自で開発した、Alter LinuxまたはArch Linuxをビルドするためのスクリプトである。
現在の最新バージョンはAlterISO 3.1で、次期バージョンのAlterISO 4.0が開発中である[13]

AlterISO 2で ./build.sh -h を実行


チャンネルによって、イメージファイルに含めるファイル(airootfs)やインストールするパッケージ、設定ファイル、カーネルなどを簡単に切り替えることができ [14]、チャンネルを追加することでAlter Linuxの派生ディストリビューションが作れる仕組みになっている[15]

AlterISO 3以降はyayを呼び出すことでAURパッケージに対応し、また日本語、英語以外の複数の言語に対応した[注釈 6][9]

AlterISOでAlter Linuxをビルドする方法についてはAlter Linuxをビルドする(GitHub)などを参照。


注意︰以下の情報は最新でない場合があります。

最新の情報はREADME_jp.md(GitHub)BUILD.md(GitHub)を参照してください。

また、AlterISO 3.1でサポートされているもののみ記載しています。
サポートされていないが使えるものもあるかもしれません。


主要なブランチ
ブランチ名 概要
master 最も安定している。バージョンが古い場合がある。また、バグ修正が遅れる場合もある。
stable リリース候補。ほとんどの問題は取り除かれている。
dev-stable 定期的に更新される。比較的安定していて、最新の機能や修正を利用できる。
dev 常に更新される。最新のコードになっているが、その分大きなバグを孕んでいる可能性がある。
build.shのオプション
用途 使い方
ブートスプラッシュを有効化 -b
カーネルを変える -k [kernel]
ユーザ名を変える -u [username]
パスワードを変更する -p [password]
日本語にする -l ja
圧縮方式を変更する -c [comp type]
圧縮のオプションを設定する -t [comp option]
出力先ディレクトリを指定する -o [dir]
作業ディレクトリを指定する -w [dir]
チャンネル一覧
チャンネル名 概要 公式ビルド
xfce デスクトップ環境にXfce4を使用し、様々なソフトウェアを追加したデフォルトのチャンネル x86_64,
i686
plasma KDE Plasmaデスクトップ環境とQtアプリを搭載したチャンネル x86_64
lxde LXDEと最小限のアプリケーションのみが入っている軽量なチャンネル i686
i3 i3とカスタマイズ可能なpolybarを搭載した、relengを除いて最も軽量なチャンネル x86_64
cinnamon 多くのアプリケーションを備えた豪華なCinnamonデスクトップ環境のチャンネル x86_64
basic 様々なチャンネルの基礎となるGUIの無いチャンネル ×
releng 純粋なArchLinuxのライブ起動ディスクをビルドできるチャンネル ×
gnome カスタマイズされたGNOMEデスクトップ環境のチャンネル ×
xfce-pro xfceチャンネルのウィンドウマネージャを変更し、多くのソフトを追加したチャンネル ×
serene Serene LinuxのUIや一部機能を移植したチャンネル ×
カーネル一覧
カーネル名 概要 i686対応
zen Alter Linuxで標準となっているカーネル。linux-zen。

カーネルの応答性を調整したり、オーバーヘッドを削減したりした、リアルタイムカーネル。
詳しい解説(ArchWiki・英語)

(linux) 素のLinuxカーネルに多少のパッチを適用しただけのもの。linux。
lts 長期サポート版(Long term support, LTS)のLinuxカーネルとモジュール。linux-lts。
ck デスクトップに特に重点を置いてシステムの応答性を向上させるように設計された Con Kolivas (MuQSS scheduler を含む) によるパッチが含まれている。linux-ck。 ×
lqx デスクトップ・マルチメディア・ゲーム用途に、Debian用の設定とZenカーネルソースを使ってビルドされたディストロカーネル代替。linux-lqx。 ×
rt カーネルのほとんど全てをリアルタイム実行できるようにするパッチが含まれている。linux-rt。 ×
zen-letsnote Let's Noteでサスペンドの問題が発生しないようにするパッチが含まれているZenカーネル。

開発者のツイート

×


aptpac[編集 | ソースを編集]

aptpacは、Arch Linux上でDebian系で用いられるaptコマンドを使用可能にしたものである。
ユーザーがaptコマンドを使うと、pacmanに変換されて実行される。

過去 [注釈 7] にもaptpacというものは存在していたが、機能的に不十分であったたため、アスキーアートのみを残してFascodeNetworkが [注釈 8] aptpacを作り直した[注釈 9]

Debian系を使っているユーザーは、慣れたaptコマンドを引き続き利用出来る為、移行しやすくなっている。
また、pacmanでは複雑になってしまうコマンドでもaptコマンドを使うことで簡素に出来る場合がある。

(例) 不要になったパッケージの自動削除
アップデート方式 コマンド
apt sudo apt autoremove
pacman sudo pacman -Rsnc $(pacman -Qttdq)


Alter Linuxには標準搭載されている。

派生ディストリビューション[編集 | ソースを編集]

AlterISOを利用して作成されているLinuxディストリビューションをAlter Linuxの派生とする。


WSL用のAlter Linuxイメージ[編集 | ソースを編集]

非公式ではあるが、kokkiemouse氏 [注釈 10] によってWindows Subsystem for Linux 2(WSL2)用のイメージが作成されている[16]

名称[編集 | ソースを編集]

「AlterLinux」と記述されていることも多いが、正式名称では「Alter Linux」と空白が入っている[17]

また、「アルターリナックス」「オルタリナックス」などと読まれているが、公式は「アルターリナックス」と呼称することが多い。

動画[編集 | ソースを編集]

公式PV[編集 | ソースを編集]


【Alter Linux】THE GLOW OF IT, FOREVER - その輝きを、いつまでも。【PV】 Create by Naxii

関連動画[編集 | ソースを編集]


【日本製】Arch Linux 派生ディストリビューション Alter Linux 正式リリース~学生たちよ、Linux に集え!~ - PC-FREEDOM



日本の学生チームが開発したAlterLinux正式版がリリース、早速レビューしていきます - Distroナナッキー

ギャラリー[編集 | ソースを編集]

20210715 KDE Plasma x86_64
20210715 LXDE i686
20210715 i3wm x86_64
20210715 Cinnamon x86_64
20210920 GNOME x86_64


外部リンク[編集 | ソースを編集]


WSL用のAlter Linuxイメージ(非公式)[編集 | ソースを編集]


関連項目[編集 | ソースを編集]


脚注[編集 | ソースを編集]

注釈[編集 | ソースを編集]

  1. 20210715現在、basic gnome-mac lxde-m serene xfce-proなどのチャンネルはバイナリでの提供が行われていない。その内、basicは様々なチャンネルの基礎となるGUIのないチャンネル。
  2. LXDEのx86_64版やKDE Plasma、i3wm、Cinnamon、GNOMEのi686版もビルドは可能。
  3. Beta 2以前はx86_64版のみが提供されており、また、Beta 3からRC3まではx86_64版、i686版共にその時点での全種類でリリースされていた。
  4. もう1つは、同じくFascodeNetworkのSereneLinux。
  5. 対応しただけであり、配布はされない。
  6. その他、カーネルの管理を単一の設定ファイルに記述するようになり、EFIで起動できない問題が修正された。
  7. 最初のものは2015年に作られた。
  8. ソフトウェア開発担当の1人が担当している。
  9. 変更点は[update]: Refactored and supported options. · FascodeNet/aptpac@751951c · GitHubを参照。
  10. 現在はFascodeNetworkに所属している。最初のイメージが公開された時点では所属していなかった。

出典[編集 | ソースを編集]


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