Ubuntu
Ubuntu(ウブントゥ)はDebian GNU/LinuxをベースとしたLinuxディストリビューションの1つである。 Canonicalから支援を受けて開発されており、自由なソフトウェアとして提供されている。
開発目標は「誰にでも使いやすい最新かつ安定したOS」を提供することである。
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![]() デスクトップ画面(21.04 "Hirsute Hippo") | |||||
開発者 | Canonical UK Ltd. / Ubuntuプロジェクト | ||||
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系統 | Debian系 | ||||
開発状況 | 開発中 | ||||
初版 | 2004年10月20日 | ||||
最新安定版 |
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アップデート方式 | APT | ||||
パッケージ管理 | dpkg, Snappy | ||||
カーネル種別 | Linux | ||||
デスクトップ環境 | GNOME | ||||
ウェブサイト |
https://jp.ubuntu.com/ (公式) https://www.ubuntulinux.jp/ (Ubuntu Japanese Team) |
概要[編集 | ソースを編集]
2020年1月現在、CPUはIntel x86、AMD64、ARMなどをサポートしている。
Debian系であり、主なパッケージ管理はAPTである。
デスクトップ環境にはGNOMEを採用しているが、公式フレーバー(公式の派生)によってKDE、LXQt、MATEなども使用できる(詳しくはUbuntu公式派生を確認してください)。
使いやすさを重要視し、標準的なシステムツールに加えて写真編集ツール、オフィススイート、インターネットブラウザなどをはじめ、数独やチェスなどのカードゲームやパズルゲームまでもが同梱されている。
セキュリティの観点では、特にLinux入門者を考慮して全権限を持つrootでのログインはデフォルトでは無効になっており、sudoを利用するようにされている。
また、デフォルトでは全てのポートが閉じられている。
Ubuntuは国際化にも力をいれており、55言語以上で利用できる。
2021年3月のLinuxディストリビューションのシェア調査では、Ubuntuのシェアは約46%とされ、2位の Debian GNU/Linux の約22%を大きく引き離し、1位となっている。
サポート[編集 | ソースを編集]
通常版と長期サポート版(LTS、Long Term Support)があり、通常版のサポート期間は公開から9ヶ月である。
6〜9ヶ月ごとに更新しなければならないが、新しい機能を望むユーザーに向いている。
長期サポート版(LTS)は2年間隔で公開され、通常のサポート期間は公開から5年で、サポート期間も長いため安定を望むユーザーに向いている。
Ubuntuの調査では95%のマシンがLTSを使用している。
これに加えてカノニカルはUbuntu Advantageと呼ばれる有償サポートも提供し、電話やWebを通じた問合せ窓口を提供している。
また、Ubuntu Advantageは通常サポートの期間が終了した LTS の延長セキュリティメンテナンス (Extended Security Maintenance; ESM) も提供している。
個人ユーザーの場合、3台までは無償でUbuntu Advantage for Infrastructure Essentialが利用可能で、Extended Security Maintenanceも無償で利用可能。
通常のサポート終了後のExtended Security Maintenanceの期間は以下の通り。
- 12.04 LTS - 2年
- 14.04 LTS, 16.04 LTS - 3年
- 18.04 LTS以降 - 5年
18.04 LTSなどでは、通常のサポート期間とExtended Security Maintenanceにより、サポート期間は合計で10年間となる。
12.04 LTS以前はLTSのサポート期間はデスクトップ向けのみ3年であったが、現在はデスクトップもサーバー版も5年となっている。
13.04以前は通常版のサポート期間は18ヶ月であったが、管理費用を削減するために現在の9ヶ月に短縮された。
リリース[編集 | ソースを編集]
主なリリースを以下に列挙する。
サポート終了[編集 | ソースを編集]
主なバージョン | コードネーム | リリース日 | 保守期限 | 主な変更点 |
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4.10 | Warty Warthog | 2004年10月20日 | 2006年4月30日 | 最初のリリース |
5.04 | Hoary Hedgehog | 2005年4月8日 | 2006年10月31日 | 更新機能、ノートパソコンのサスペンド、ハイバーネート、
スタンバイ、周波数コントロール、USBデバイスからのインストール、 UTF-8の準拠、APTの認証 |
5.10 | Breezy Badger | 2005年10月13日 | 2007年4月13日 | USplash(視覚的なブートローダ)の採用、論理ボリュームマネージャ
対応、OEMインストーラに対応 |
6.06 LTS | Dapper Drake | 2006年6月1日 | 2009年6月
(デスクトップ) 2011年6月 (サーバー) |
Live CDと導入用CDの統合、Live CD上での視覚的な導入環境の採用、
終了時のUSplashの採用、USB機器への導入、debファイルの視覚的な 導入環境「GDebi」 |
6.10 | Edgy Eft | 2006年10月26日 | 2008年4月 | 'Human'テーマの大幅な修正、Upstartの実装、問題の報告を自動化
(Apport)、 メモ機能Tomboy、写真管理F-Spot |
7.04 | Feisty Fawn | 2007年4月19日 | 2008年10月 | Windowsからの移行補助プログラムの搭載、コーデック/制限付き
ドライバの導入の簡素化、Compizデスクトップ効果、WPA対応、 PowerPCの対応廃止、数独とチェスの追加、ディスク使用量解析ツール 'baobab'の追加、GNOMEコントロールセンター、Zeroconfのサポート |
7.10 | Gutsy Gibbon | 2007年10月18日 | 2009年4月 | Compiz Fusionの搭載、サーバー管理eBox、セキュリティフレーム
ワークAppArmor、高速なデスクトップ検索、高速なユーザ切り替え、 Mozilla Firefoxのプラグイン管理の改善 (Ubufox)、X.orgの視覚的な 設定ツール、NTFSへの書き込み対応 |
8.04 LTS | Hardy Heron | 2008年4月24日 | 2011年4月
(デスクトップ) 2013年4月 (サーバー) |
長期サポート (LTS)、テーマとアートワークの改良、
Wubiを標準搭載 |
8.10 | Intrepid Ibex | 2008年10月30日 | 2010年4月 | Mobile Linux |
9.04 | Jaunty Jackalope | 2009年4月23日 | 2010年10月 | 新しい通知システム、起動プロセスの変更、ext4を拡張機能で対応 |
9.10 | Karmic Koala | 2009年10月29日 | 2011年4月 | クラウドコンピューティング、ext4が標準になる |
10.04 LTS | Lucid Lynx | 2010年4月29日 | 2013年4月
(デスクトップ) 2015年4月 (サーバー) |
長期サポート (LTS)、Lightテーマ、
起動画面 (HAL) 廃止、動画編集ソフトPiTiViを同梱、NVIDIA用の オープンソースドライバを導入、Ubuntu One Music Store、 起動速度の大幅な改善 |
10.10 | Maverick Meerkat | 2010年10月10日 | 2012年4月 | Ubuntu Netbook Editionの操作性向上 (Unity)、Btrfsを拡張機能で
対応、uTouchによるマルチタッチサポート、MeMenu、 サウンドインジケータの改良、F-SpotがShotwellに置き換え |
11.04 | Natty Narwhal | 2011年4月28日 | 2012年10月 | グローバルメニュー、デスクトップ版の標準UIとしてUnityを採用、
Ubuntu ソフトウェアセンターの評価機能、OpenOffice.orgが LibreOfficeに置き換え、RhythmboxがBansheeに置き換え |
11.10 | Oneiric Ocelot | 2011年10月13日 | 2013年4月 | Unityに加え標準でUnity 2Dを搭載、標準のメール機能として
Mozilla Thunderbirdを採用、ログインマネージャにLightDMを採用 |
12.04 LTS | Precise Pangolin | 2012年4月26日 | 2017年4月(通常)
2019年4月(ESM) |
長期サポート (LTS)、本バージョンからデスクトップ版も
3年から5年の長期サポートに変更、Head-Up Display (HUD) 導入、 BansheeがRhythmboxに置き換え |
12.10 | Quantal Quetzal | 2012年10月18日 | 2014年5月16日 | Python3の標準での導入、Unity 2Dの廃止 |
13.04 | Raring Ringtail | 2013年4月25日 | 2014年1月 | 通常版のサポート期間が9ヶ月に短縮される。 |
13.10 | Saucy Salamander | 2013年10月17日 | 2014年7月 | Phone版の追加、64ビットARM対応(開発者用) |
14.04 LTS | Trusty Tahr | 2014年4月17日 | 2019年4月(通常)
2022年4月(ESM) |
長期サポート (LTS)、Open vSwitch 2.0.1サポート、マルチタッチ対応、
高精細ディスプレイ対応 |
14.10 | Utopic Unicorn | 2014年10月23日 | 2015年7月 | |
15.04 | Vivid Vervet | 2015年4月23日 | 2016年1月 | Upstartがsystemdに置換 |
15.10 | Wily Werewolf | 2015年10月22日 | 2016年7月 | 最新のOpenStackに対応 |
16.10 | Yakkety Yak | 2016年10月13日 | 2017年7月 | |
17.04 | Zesty Zapus | 2017年4月13日 | 2018年1月 | |
17.10 | Artful Aardvark | 2017年10月19日 | 2018年7月 | デスクトップ環境がUnityからGNOMEに戻る、32ビット版
Ubuntuの提供停止。 |
18.10 | Cosmic Cuttlefish | 2018年10月18日 | 2019年7月 | |
19.04 | Disco Dingo | 2019年4月18日 | 2020年1月 | |
19.10 | Eoan Ermine | 2019年10月17日 | 2020年7月 | Ryzenマザーボードへの対応などを含むLinuxカーネル 5.3、
ZFSの試験的なサポートなどの機能が追加 |
20.10 | Groovy Gorilla | 2020年10月22日 | 2021年7月 | |
21.04 | Hirsute Hippo | 2021年4月22日 | 2022年1月 | |
21.10 | Impish Indri | 2021年10月15日 | 2022年7月 | GNOME 40を採用、プリインストールされているFirefoxがSnap版に |
サポート中[編集 | ソースを編集]
サポートには延長セキュリティメンテナンス(ESM)を含む。
主なバージョン | コードネーム | リリース日 | 保守期限 | 主な変更点 |
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16.04 LTS | Xenial Xerus | 2016年4月21日 | 2021年4月(通常)
2024年4月(ESM) |
長期サポート (LTS)、Python 3への完全移行、Snappyの導入 |
18.04 LTS | Bionic Beaver | 2018年4月26日 | 2023年4月(通常)
2028年4月(ESM) |
Extended Security Maintenanceの期間が3年から5年に伸びた。 |
20.04 LTS | Focal Fossa | 2020年4月23日 | 2025年4月(通常)
2030年4月(ESM) |
64bitのみとなった初のLTS |
22.04 | Jammy Jellyfish | 2022年4月21日 | 2027年4月(通常)
2032年4月(ESM) |
GNOME 42を採用 |
22.10 | Kinetic Kudu | 2022年10月20日 | 2023年7月 | Unity Remixが公式フレーバーに追加される |
日本のUbuntu派生ディストリビューション[編集 | ソースを編集]
- linuxBean
- Basix
- KLUE
- Kona Linux Pi
- Upper Linux
- naiad linux
- Yellowleaf Linux
- AquaLinux
- NusyLinux
- Kamuriki Linux
名称[編集 | ソースを編集]
「Ubuntu」の名称は、南アフリカのズールー語の言葉で「他者への思いやり」を意味する。
Canonicalは、南アフリカ生まれでイギリス市民権を持つ実業家、マーク・シャトルワースが設立した。
外部リンク[編集 | ソースを編集]
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