KDE
KDEはX Window System上で動作するデスクトップ環境及びその環境用の各種アプリケーション、またはその開発プロジェクト。
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![]() KDE Plasma 5のスクリーンショット | |
開発者 | The KDE Team |
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サポート状況 | 開発中 |
初版 | 1998年7月12日 |
最新版 | 5.22.5 - 2021年8月31日[1] [±] |
対応OS | UNIX系 |
ツールキット | Qt |
対応言語 | 多言語 |
ライセンス | GPL ほか |
ウェブサイト | https://www.kde.org/ |
KDEプロジェクトはデスクトップ環境(KDE Plasma)の他、ウェブブラウジングやファイル操作、マルチメディアの再生、オフィス作業など、様々な用途の為のアプリケーションプログラムを数多く開発・提供している。
概要[編集 | ソースを編集]
KDEの旧称はK Desktop Environmentであり、KDEのKはとくに意味はない。
創始者のマティアス・エトリッヒが発足時に"Kool Desktop Environment"と称していたが、"K"は特別意味を持たせないことがすぐに決められた。
デスクトップ環境Common Desktop Environment(CDE)をもじって命名したともされる。
2009年11月24日にコミュニティが関与している技術の拡大から名称変更し、「KDE」を正式名称として使用することに決定した。
インタフェースは、Microsoft Windowsなどからの影響が見られ、デフォルトで画面下部に配置されるパネルには、タスクバー、アプリケーションランチャ、システムトレイ、ページャ(仮想デスクトップ)、システムトレイなどを備える。
freedesktop.orgを通じて、GNOMEやXfceなどの他のデスクトップ環境との操作体系の互換性も確保されている。
KDE 4について[編集 | ソースを編集]
KDE 4では、これまで別種のアプリケーションとして提供されていたルートウィンドウ(KDesktop)、パネル(Kicker)、ウィジェットエンジン(SuperKaramba)がPlasmaに統合され、操作感が刷新されたほか、古いウィンドウマネージャとの互換性が高まった。
ファイルマネージャには、KDE 4よりKonquerorに替わりDolphinが採用された(Konquerorも利用できる)。
その他ではハードウェアとの関係が強化され、マルチメディアフレームワークのPhononにより洗練されたマルチメディア環境が整えられた。
アプリケーション[編集 | ソースを編集]
KDEにより提供されるアプリケーションは、GUIツールキットにQtを採用しており、ファイルマネージャ(Dolphin、Konqueror)やウェブブラウザ(Konqueror)、メディアプレーヤ(Kaffeine、Amarok)、メールソフト(KMail)、テキストエディタ(KEdit、KWriteやKate)、オフィススイート(KOffice)などの多くのアプリケーションを含む。
また、環境設定はKDE システム設定から管理でき、KDE環境の設定に加えて、KDMというログインアプリケーションや、ハードウェアへの設定変更もできるようになっている。
KDE PIMモジュールなどで各アプリケーション間の連携が優れている他、多くのアプリケーションで共通性のある操作方法を持ち、多くの設定も一元的に管理できることから統合的な環境として利用できる。
ウィンドウマネージャー
KWinが標準のウィンドウマネージャーとして利用されており、3Dデスクトップなどのデスクトップ効果が利用できる他、動作やテーマなどのさまざまなカスタマイズを行える。
ルック・アンド・フィールは、KDE標準、CDE風、Windows風、BeOS風など、導入時点から複数のテーマを利用できる他、インターネット上にも多数公開されている。
KDE 4では、標準で使用するウィンドウマネージャーを選択でき、CompizやMetacityなども利用できる。
また、KDE 4ではPlasmaにより柔軟なデスクトップの管理、さまざまなウィジットの利用なども可能になっており、壁紙についても、仮想デスクトップ毎の変更や、アプリケーションの出力を表示できるようになっている。
ファイルマネージャー
Dolphinというファイルマネージャーが標準である。
いずれもタブ機能、ファイルのサムネイル表示、充実したコンテキストメニューなど多くの機能を備える。
KDE4では標準で使用するファイルマネージャーを選択でき、DolphinやKonquerorだけでなくさまざまなファイルマネージャーをKDEで利用できる。
ターミナルエミュレーター
Konsoleという端末エミュレーターが標準で用意されている。
プロファイルによる設定の管理、背景色、文字色等の細かな設定等の機能を備える。
また、Konsoleはタブ機能も備えており、複数のウィンドウを開く必要無しにいくつかの操作を同時に行える。
テキストエディター
Konquerorなどに組み込まれて使用されるエディター、KEdit、簡単なテキストの編集に向いているとされるKWrite、さらに多くの機能を備えるKateなどがある。
KWrite、Kateには検索や置き換え、その他基本的なエディターの機能が備わっている。
イメージビューアー
Gwenviewが標準的なイメージビューアーとして用意されている。
Gwenviewは、イメージのスライドショー機能、簡単なエディット機能、簡易的なファイルマネージャーの機能をもつ他、プラグインによるさまざまな機能の拡張などにも対応している。
メディアプレーヤー
音楽のコレクション管理、再生のためのAmarokや、動画を再生することも可能なKaffeine、Dragon Playerなどが用意されている。
KDE4向けのAmarokは、Plasmaのようなウィジットの機能なども搭載しており、Last.fmやShoutcastなどの各種インターネットサービスなども、簡単に利用できるようになっている。
Webブラウザ
ファイルの管理機能も備えるKonquerorが、KDE向けのウェブブラウザとして用意されている。
レンダリングエンジンにはKHTMLを利用している。その他、フォントや履歴、クッキーなどに関するさまざまな設定を行える。
メーラー・PIM
メーラーとしてはKMailが用意されており、その他予定管理用のソフトウェアやアドレスブックなども含んだPIM、Kontactも用意されている。
KMailは、検索や振り分け等の機能など数多くの機能を備え、Kontactを利用することによって、予定やアドレスなどの数多くの個人情報をも管理できる。
その他、インスタントメッセージングをするためのKopeteも用意されており、MSN(Windows Live)やYahooなど、様々なアカウントでメッセージングを行える。
オフィス作業向け
ワードプロセッサーのKWord、スプレッドシートのKSpreadなどが、KOfficeとして用意されており、さまざまなオフィス作業を行える。
開発者向け
KDevelopが用意されており、KDEアプリケーションやQtアプリケーションを開発する統合開発環境として利用できる。
その他にもさまざまなKDE用アプリケーションがあり、様々な操作をKDE環境上で行うことができるようになっている。
また、Konquerorなど、KDEアプリケーションの一部はWindowsやmacOSにも移植されている。
リリース[編集 | ソースを編集]
KDE 3以前[編集 | ソースを編集]
主なバージョン | リリース日 | 主な変更点 |
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1.0 | 1998年7月12日 | |
1.1 | 1999年3月4日 | さまざまな改良。新しい背景やアイコンが含まれている。 |
2.0 | 2000年10月23日 | DCOP、KIO、KHTML。Konquerorがウェブブラウザとして、KOfficeがオフィススイートとして含まれる。 |
2.1 | 2001年2月26日 | メディアプレーヤのNoautanを含む。KDevelop。 |
2.2 | 2001年8月15日 | 動作速度の改良。IMAP、iCalendarに対応。 |
3.0 | 2002年4月3日 | 新しい印刷フレームワークの採用。 |
3.1 | 2003年1月28日 | 新しいテーマの採用。Konquerorでのタブブラウジング対応。 |
3.2 | 2004年2月3日 | freedesktop.orgへのさらなる対応。Kopete、Kontactなどさまざまな新しいソフトウェアの追加。 |
3.3 | 2004年8月19日 | Kontactの改良。インスタントメッセージングへのさらなる対応。 |
3.4 | 2005年3月16日 | アクセシビリティ面での改良。Dbus/Halのサポート。 |
3.5 | 2005年11月29日 | SuperKarambaウィジットエンジン。Webカメラのサポート。KHTMLの改良。 |
KDE 4[編集 | ソースを編集]
主なバージョン | リリース日 | 主な変更点 |
---|---|---|
4.0 | 2008年1月11日 | Qt4ベースに移行
新テーマ(Oxygen)、Plasma、Phonon、Solid、Akonadiなどの新しいコアテクノロジ Dolphin、Okularなどによる一部アプリケーションの置き換え |
4.1 | 2008年7月29日 | Dragon Player、KDE PIMモジュールなどの新アプリケーション
いくつかのアプリケーションが、WindowsやMac OS Xに対応 |
4.2 | 2009年1月27日 | KDE FrameworksなどPlasmaの改良
電源管理機能の追加 プリンター設定システムの改善 |
4.3 | 2009年8月4日 | PolicyKitへのフロントエンドの提供 多数のPlasmaウィジットの追加
ソーシャルネットワークのサポート強化 |
4.4 | 2010年2月9日 | KDE PIMの改善 Plasmaのネットブック向けインターフェイスの提供 |
4.5 | 2010年8月10日 | KonquerorのWebkitへの対応 アプリキャッシュ機能の搭載 |
4.6 | 2011年1月26日 | |
4.7 | 2011年7月27日 | |
4.8 | 2012年1月25日 | Dolphin と Gwenview のレンダリングを改善し、表示を高速化
全体的なパフォーマンスの改善と安定性の向上 電源管理設定の充実 |
4.9 | 2012年8月1日 | Dolphin に新機能を多数追加
全体的なパフォーマンスの改善と安定性の向上 |
4.10 | 2013年2月6日 | デザインや操作の一貫性や安定性が向上
KWin にGet Hot New Stuff(GHNS)アプローチを統合 |
4.11 | 2013年8月14日 | Plasma Workspaces、Dolphinのパフォーマンスの向上
PIM stackの大規模な改善により、Python、Javascript開発者の生産性を向上 |
4.12 | 2013年12月18日 | PIM stackのパフォーマンスの向上
多数のマイナー最適化、バグフィックス |
4.13 | 2014年4月16日 | Kontact、Okular、他に多数のアプリケーションに新機能
多数のマイナー最適化、バグフィックス |
4.14 | 2014年8月20日 | Cantor、Kanagram、Okular、Kate、Umbrello UML モデラー、
Dolphin、Marble、他に多数のアプリケーションに新機能 多数のマイナー最適化、バグフィックス |
KDE 5[編集 | ソースを編集]
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テンプレート設置:2020/05/18
主なバージョン | リリース日 | 主な変更点 |
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5.0 | 2014年7月15日 | バグ修正と翻訳 |
5.1 | 2014年10月15日 | |
5.2 | 2015年1月27日 | |
5.3 | 2015年4月28日 | |
5.4 | 2015年8月25日 | |
5.5 | 2015年12月8日 | |
5.6 | 2016年3月22日 | |
5.7 | 2016年7月5日 | |
5.8 LTS | 2016年10月4日 | |
5.9 | 2017年1月31日 | |
5.10 | 2017年5月30日 | |
5.11 | 2017年10月10日 | |
5.12 LTS | 2018年2月6日 | |
5.13 | 2018年6月12日 | |
5.14 | 2018年10月9日 | |
5.15 | 2019年2月12日 | |
5.16 | 2019年6月6日 | |
5.17 | 2019年10月15日 | |
5.18 LTS | 2020年2月11日 | |
5.19 | 2020年6月9日 | |
5.20 | 2020年10月13日 | |
5.21 | 2021年2月16日 | 新しいアプリケーションランチャー、アプリケーションテーマの
改善、KWinの改善、Waylandのサポートの改善、システム設定に ファイアウォール設定が追加 |
5.22 | 2021年6月8日 |
外部リンク[編集 | ソースを編集]
関連項目[編集 | ソースを編集]
出典[編集 | ソースを編集]
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